今年も栃木県足利市にワイン醸造場を構える、「ココ・ファーム・ワイナリー」とコラボレーションし、ワインづくりに使用した葡萄果皮を用いてビールを醸造!赤ワインの「醸し発酵」という製法を参考に、果皮を麦汁に浸透させながら、その葡萄に付着した自然酵母のみで発酵させました。第2弾はココ・ファームさんでオレンジ色のワイン銘柄に使用される「甲州」という葡萄品種を使用!モデルとなったワインに沿ってオレンジ色に輝く、伸びやかな香りと風味が特徴の自然酵母ビールが出来上がりました。
【造りのこだわり】
ワインづくりに使用した「甲州」葡萄の果皮(マール)と乾燥させて果実成分を凝縮させた「甲州」葡萄果皮を発酵期間の約2週間浸透させる「醸し発酵」を行うことで、心地よい渋みを与えました。果皮に付着した自然酵母による複雑な風味が、不思議とこれらの要素を上手にまとめ上げています。
〈テイスティングノート〉
【外観】
濁りがかったオレンジ色
【香り】
トップで熟したオレンジ、黄桃、熟したりんご、カリンなど様々な果物の要素が重なって出来た複合的なアロマが感じられます。嗅ぎ進めると蜜のような香りも現れ、より層のある印象を思わせます。
【味わい】
口に含むと香りでも存在したオレンジ色の果実の風味が、程よい酸味と共に感じられます。味わいの中盤から、葡萄果皮由来の心地よい渋みが感じられ、味わい深くワインの印象を思わせるビールです。
【食べ合わせ】
人懐っこいお酒なので、切り干し大根などいつもの食卓料理と合わせやすいと思います。
「ココ・ファーム・ワイナリー」×「反射炉ビヤ」コラボレーションにあたって
ココ・ファーム・ワイナリー
1984年より栃木県足利市でワインづくりを開始。
葡萄が元気にその魅力を最大限に発揮できるよう、葡萄
の声に耳を澄ませてワインづくりを行うことを大切にして
います。そのため、葡萄畑に化学肥料や除草剤を使用せず、
発酵においても天然の野生酵母や野生乳酸菌による醸造が
中心。葡萄だけでなく、ココ・ファーム・ワイナリーで
働くスタッフの皆さんが、いきいきと力を発揮してつくられた
ワインはどれも素晴らしく、多くの人々を魅了しています。
2024年のNYB~COCOFARM&WINERY~オレンジ
僕は学生の頃からココ・ファーム・ワイナリーさんの「甲州F.O.S.」という甲州ブドウを醸し発酵させるオレンジ色のワインが大好きで、初めて口にした時は、恐らく極限まで果皮成分を抽出させたであろう力強い印象に、ある種のロマンを感じたことを覚えています。そんなことから今年もコラボを行わせていただくにあたり、
「醸し発酵」をテーマにビール造りを行いました。
今回で5回目の使用となる「甲州」種では、まさに憧れのワイン「甲州F.O.S.」をイメージしてビールを醸造。今年は運よく、ワイナリーで搾りたての甲州葡萄のマールを使用することができ、自然酵母がより旺盛な状態で発酵を行うことが出来ました。甲州品種ならではの心地よい渋みを形成するタンニンも伸びやかに抽出。味わいの濃さや収斂味に奥行きを感じるビールに仕上がりました。この一杯が自然酵母の魅力をお伝えすると共に、ビール、ワインを愛する皆様へ楽しんでいただける銘柄になればと思っています。
反射炉ビヤ 山田隼平