ペイザナ中原ワイナリー、ドメーヌ・オヤマダ、小山田幸紀氏の栽培した葡萄(デラウェア)に付着した自然酵母を使用してビールを今年も醸造!「デラウェア」を主体としているドメーヌ・オヤマダのフラグシップ白ワイン「BOW! 白」をイメージしてビール仕込みを行いました。今年は爽やかに感じられる酸味に注目!毎年異なる、自然酵母が醸し出す複雑かつ伸びやかな香り、味わいをぜひお楽しみください!
【造りのこだわり】
今年はオーツ麦芽を使用せず、エール麦芽とサワー麦芽のみを使用して麦汁を作成。少々低温にて発酵させることで、自然酵母の繊細なエステル香がホップ香と合わさって、リンゴやカリンなどの凛とした風味を表現しています。またサワー麦芽と酵母の発する爽やかな酸味が、良いアクセントとなって仕上がりました。もちろん今回もボトル、樽生共にナチュラルカーボネーションで仕上げています。
〈テイスティングコメント〉
【外観】
明るいイエロー
【香り】
皮をむいたリンゴ、カリン、レモン、アセロラ、黄桃などを思わせる甘酸っぱい果実の香りが感じられます。バナナのような少々まろやかなアロマも存在し、果実の香りが層を成して繊細に絡み合っています。
【味わい】
口当たりは爽やか!香りでも存在したリンゴや柑橘系の果実味と、乳酸や揮発酸など複数の重なった酸味が織り交ざり、イキイキとした味わいを感じさせます。味わいの終盤では、自然酵母とホップからなる心地良い渋みや苦みによって、最後の余韻まで楽しめる印象です。
【食べ合わせ】食中酒に最適だと思います。白身魚の西京焼きなど、日々の食卓料理と合わせたいです。
ドメーヌ・オヤマダ 小山田幸紀氏
2011年に小山田氏を中心にペイザナ農事組合を設立。2014年に共同醸造所であるペイザナ中原ワイナリーを設立。
ドメーヌ・オヤマダは栽培から醸造まで一人でこなし、培養酵母を使用せず自然酵母でナチュラルなワイン造りをされています。常に収穫にたくさんの人が集まるのも、小山田さんの仕事へのストイックな姿勢、情熱に加え魅力的な人柄によるものだと思います。高い醸造技術に加え、「ブドウのポテンシャルを追求し、いたずらにワインを汚さない」という信念のもと作り出されるワインはまさに小山田さんそのものとも言える、一言では説明できない奥深さを感じます。
小山田さんは私がワイン醸造学を学んでいた学生時代の時から大変お世話になっている、心から尊敬する醸造家です。
今回も葡萄の笠かけ、収穫から手伝わせていただきました。
今年、小山田さんのワイン「BOW! 白」の2018年ヴィンテージを飲む機会がありました。そのワインは発売から2年以上も経過しても尚、イキイキとした酸味と華やかなアロマが感じられ、熟成によってさらにその輝きが増しているようにも思いました。「知っていたはずだけど、改めてなんて素晴らしいお酒なのだろう!」今年の「甲州微行」はそんな「BOW! 白」の2018の衝撃に感化され、サワー麦芽と自然酵母の発酵で爽やかかつ複雑な酸味を活かしたビール
造りに挑戦しています。同じ銘柄のお酒でも、ヴィンテージによってまた新たな魅力に気づかされるワインの世界への憧れも含めて、今回のビール「甲州微行」のヴィンテージを収穫年の2021と設定させていただきました。今回の仕込みも、ナチュールワインとクラフトビールの1つの架け橋になればと思っています。
反射炉ビヤ 山田隼平
江戸時代、伊豆と山梨はともに幕府の直轄地「天領」でした。
そこでビールの名は山梨と伊豆の友好の懸け橋になってほしいという思いから、韮山反射炉を築造した「江川太郎左衛門英達」がかつて山梨の地に向かった「甲州微行」より命名しました。
そして今回のラベルでは、反射炉ビヤが山梨へ原料となる葡萄をいただきに向かったことに重ね合わせ、反射炉ビヤの象徴とも言える「江川太郎左衛門英達」が時空を超えて山梨へゆき、小山田氏とお酒を酌み交わしている場面を表現しました。